総合型地域スポーツクラブについて語られる時に必ず出てきるキーワードが、この3つです。今回は多志向・多世代・多種目について、私の思うところをお伝えしていきたいと思います。
多志向
言葉の意味をそのまま表すと「心がその物事を目指し、それに向かうこと。」となります。
クラブが提供する多志向とはどう言ったコトなのかと言いますと、よく知られる考え方に競技志向があります。スポーツの勝ち負けにこだわり、勝つために日々練習し技術を磨くと言った志向です。努力の末の勝利には見る人に感動を与えてくれます。
一方でその対極にあるのが、エンジョイ志向です。大切なコトは「スポーツを楽しむ」ものと考え、仲間と爽やかな汗を流すというイメージです。
この多志向は、多目的と置き換えることも考えられます。
スポーツをする目的や志向は人それぞれです。十人十色な訳です。
ある人は健康のため、美容のため、仲間と会うため、自己実現のため、精神力を高めるため、リハビリのため・・・・など挙げればキリがありません。
あるいは、スポーツを観戦して楽しむ方もいるでしょう。応援する事を心から楽しみサポーターとして選手を支える事に価値を見出す方もいるでしょう。
クラブは、参加者の多様な志向や目的を満たすための機会の提供を目指していきます。
そうする事によってクラブが参加者の人生を心豊かに、地域に活力を与えていきたいのです。
多世代
多世代は比較的イメージしやすいかと思います。
子どもからお年寄りまで一緒に楽しめるスポーツ環境ですね。
指導者(お年寄り)と選手(子ども)の関係の中が多いかも知れませんが、一緒にプレーする場合も考えられます。
先日、当施設で「日本カーリング選手権大会」が開催されましたが、あるチームの選手の中に、小学生が入っているチームがありました。他の選手は様々な年代の大人な訳です。まさにカーリングは多世代型スポーツだと思った瞬間でした!
スポーツ種目によってその年代構成は様々でしょうし、前述の様々な志向性の中においては多世代の方々が、同じフィールドでスポーツを楽しむ、競技するなんてコトは、いくらでも出来るかと思うのです。
多世代における大切なことは、単に勝った負けたではなく、スポーツそのものを楽しんだり、スキルの向上を称え合ったり、お年寄りを労ったり、子供の成長を確かめたりと、スポーツを通じた多世代交流には素晴らしい要素が詰まっていると感じています。
クラブはそんな多世代交流を通じて、暖かい気持ちになってもらえる場所になったらいいなーと思っています。
多種目
最後は多種目です。
クラブが目指すのは同じチームブランドで、地域のクラブとして様々なスポーツで活躍するチームや選手を育てる事です。
クラブのメンバーは、仲間の活躍を心から応援し、勝利を共に喜びます。
私は個人的に学校の部活動に似ていると考えています。皆さんも経験があるかも知れませんが、中体連や高体連で自分の学校の友人が、大会で活躍するのを応援に行ったことってありますよね。
また、自分の大会に友人が応援に来てくれたら、嬉しく思い試合にも力が入った事が思い出されます。
現在、少子化の影響で学校単位で部活動が成立しないという課題が生じています。私はこの問題をクラブが解決できるものと考えています。
さらに地域の少年団やスポーツ団体が抱える問題や課題、例えば指導者不足や活動資金の調達、そもそも選手が少ないなど・・・。
様々な問題や課題を地域全体で一緒に取り組む事によって、解決の道筋が見えてくると思います。
近年、稚内でも全道や全国の檜舞台で活躍する選手が目立ちます。これは選手や指導者をはじめ、保護者や関係者の皆さんのご苦労があっての事だと思います。
しかし、お話を伺っていくと、皆さんも同じように問題や課題を抱えているのです。
地域全体で力を合わせてクラブを作り、地域のスポーツ環境を今まで以上に良くして行き、持続可能なスポーツで地域を元気にする活動につなげていきたいです。
今回は以上です。
次回は「地域のニーズとクラブの果たす役割」というタイトルでお届けする予定です。
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記事投稿者:古川